大島洋氏著「アジェのパリ」に、アフリカ等の地域への撮影旅行の帰路に、パリに寄り、ホテル サンジャックに宿泊したと書いてあった。私もこのホテルに、数回滞在した。昔は2つ星であったと記憶しているが、現在は3つ星である。ひとりの宿泊には、部屋の狭さを除けば、立地、通信環境、安全性などは必要十分である。
今から写真付きで紹介するパリの散歩ルートは、このホテルからである。
道を下ってサンジェルマン大通りと交差するところがモベール広場である。いつも小さな市がたっている。広場の周囲にあるカフェ、パン屋や肉屋は良く利用する。
朝の散歩の時は、いつも、ここで、この通りを渡る時が一番迷う。
サンジャック通り迄行って、橋を渡ってノートルダムの西正門に出るか、アルシェヴェシェ橋から大聖堂の内陣を、東側から朝日の当たるところを見るか、トゥールネル橋から遠景の美しい大聖堂を見ながら、サンルイ島に渡るか、そしてどの方向に決めても、サンジェルマン大通りを渡った後にどの通りを歩くかも選択肢が多い。
ビエーブル通りを歩きながら、周囲の道も写真を撮り、アルシェヴェシェ橋を渡ろうと決めた。(ビエーブル通りは、昔ゴブラン織りの染めを行なっていたビエーブル川を暗渠とした上の通りであると聞いた。)
ノートルダムやセーヌ川を見ながら、サンルイ島を抜けルイ・フィリップ橋を渡り、バール通りの低い傾斜の階段を上がる。
同行者がいる時は、バール通りを上がって左に行き、サン・ジェルベ=サン・プロテ教会を見て、パリ市役所裏から正面にでるルートになるが、私ひとりのこの日は右折して、フィリップ・オーギュストのパリ城壁が大きく残って、しかもそれが校舎の側面になっているシャルルマーニュ高校に行く。北向きのサンポール教会を南側から撮影したので、この教会のリヴォリ通りに回り込み、ホテルへの帰路を取る。途中、ロジェ=プリウ=ヴァルジャン庭園辺りを通り、マリー橋、トゥールネル橋で、トゥールジャルダンのあるセーヌ右岸の河岸通りに出て、色々な路地を見ながらに戻る。カメラを持って、1時間程の散歩である。