フィルムからディジタルに変わった直後であったと思う、まだ35mmフルサイズの出る前で、また高感度特性も低い時代であったからフィルムと同じ感覚で撮った。
シテ島先端よりポンデザール橋を撮影。中国人の風習か何かは分からぬが、まだ橋の欄干に南京錠が結ばれていない時期であった。ある時からセーヌの橋という橋に観光客が南京錠が着け、当然カギを掛けた状態で放置し、それがブームとなりセーヌに掛かる鉄の欄干の橋にという橋に付けられ、醜い姿となって写真の対象ではなくなった。ポンデザール橋などは、市側で除去する為に橋全体にベニヤ板を貼った工事中の状態もあった。
この写真の前に、シテ島の先端に座る女性の姿を入れた構図で1枚撮ったが、背中からでも肖像権に関わる時代であるので、その女性の前に三脚を移動した撮影した。右にルーブル、左にオルセー、左上方向にエッフェルというありふれた構図ではあるが、パリの滞在した時はいつも、パリに来た証として見に行く夕景である。ポンデザール橋からの逆方向にこのシテ島を見るとは、セーヌは広いと感じる、一番著名な構図であり、ノートルダム パリ大聖堂も見える。
上の写真は2015年9月28日、ブリュッセルでのラベルエキスポの帰路に1日だけパリに滞在した時の撮影である。ニコン D-810に35mm、F1.4でも手持ち撮影は無理でポンデザールの欄干にカメラを置いて、月を少しでもシャープにするため、F.10、1秒の設定で撮った。三脚を持たなかったことを後悔した。
このアングルではセーヌは広いと感じる。パリを良く知る人には不要な説明であると思うが、正面の橋はポンヌフ。左はルイヴィトンに買収されまだ工事中の旧サマリテーヌ百貨店。中央の木々のある所はシテ島の先端で、1枚目の写真はそこからこの撮影場所のデザール橋を撮った。中央のシテ島に立つ2本ある尖塔の後方が、2019年4月に火災で焼失したパリ大聖堂の尖塔である。いつ再建されるのであろう?