自己粘着ラベルの生産に於ける価値連鎖に変化を起こしませんか?
フランソワ・ベイゼロン :カナダ ETIコンバーティング エクイップメント
CEO印刷会社が購入している自己粘着層をサンドイッチした基材には、本来印刷会社に戻されるべき利益が内包されています。 フィルム或いは紙の自己粘着ラベル原紙の価格には未加工基材へ複数の処理、コーティング等が施されていますが、その大半は印刷会社自身で加工可能であり、しかも印刷そのものより易しい加工です。
世界市場で商品を販売している企業は、コストセーブの側面のみでなく、地球環境に配慮する側面からも、自己粘着ラベルの価格分析に注目し始めました。 ラベル生産会社は伝統的に主要加工紙メーカーから既成原紙を購入して、ラベルとしての印刷という装飾作業だけを行なっています。 殆どの場合、ラベル生産会社は粘着剤と剥離基材を自社で品質コントロールしていません。 その結果、印刷・加工するだけで“ラベル”製品を生産する企業は自身でコントロールできない部分で訴訟に晒される状況も発生します。
時の経過と共に物事も変化しており、寧ろその変化は経時よりも早いかもしれません。粘着ラベル生産の上流部分では非常に多くの企業が最少のリスクで利益を上げていますが、それと対照的にラベル印刷会社は出来上がったラベル基材への印刷と加工だけの少ないマージン部分で、自社加工とラベルユーザーの評価の責任を引き受けなければなりません。 ラベル印刷会社自身で自己粘着基材に対して充分な品質コントロールを行なっている企業は極めて稀であり、その意味で殆どのラベル印刷企業は火線上にあると言えます。
ラベル製造の流れをを縦方向に統合すること、即ち基材への印刷後にシリコンと粘着のインラインコーティング行なうと、印刷会社がラベル性能の全てのステージで管理することになり、結果としてユーザーからのラベルの受け入れ拒否や訴訟は劇的に減少します。 しかも利益は想像を上回る程増大します。
価値連鎖の構造は変化しています。世界のラベル生産企業の総数からみて、実際にその変化を実行している企業数は少なく、まだ初期的段階ですが、業界の縦型統合するラベル生産はもはや極少数のパイオニア企業だけのものではなくありません。 数年前に誰がビールラベルに自己粘着ラベル、特に透明フィルムラベル採用されると思っていたでしょうか? 既に自社内で印刷後にインラインコーティングの設備を有している企業では、ラベル基材の裏面に印刷したラベルを従来の加工紙メーカーから購入したラベル原紙から生産するラベルよりも安価に生産しております。
どの印刷機でもセットアップ中には必ず損紙が発生します。なぜラベル印刷業界では高価な粘着原紙で損紙を出しているのが常識化されているのでしょうか? パッケージ印刷業界では基材の裏面に印刷し、2層目の基材とラミネートする生産工程を採用しています。 ディジタル印刷技術も基材の裏面に印刷するには適している方式です。 裏面に印刷することでラベル表面となる透明なフィルム層が印刷面を保護し、高品質化させます。 生産コスト面でもその差は驚きに値します。 印刷時の損紙を比較しても、インラインコーティング方式では未加工のフィルムを使えば平米0.06ユーロですが、ラベル原紙の場合には0.40ユーロです。ラベル印刷業界の最小損紙率が10%であることを知ればそのコスト差も自明ではないでしょうか?
一方ではライナーレスラベルの需要増大が、ラベル生産の縦型統合の方向性を示しています。コスト削減を考慮するとライナーレス化は市場から容易に選択されます。 印刷会社は印刷を行なってからシリコンをオーバーニスのように、粘着剤を基材裏面にコーティングし、ダイカット、巻取りを行なって生産します。ラベル原紙のような上流価値連鎖の段階は全く不要です。 その上地球環境の側面からも、ライナー付き粘着ラベルの60%を占める部分が不要になることでライナーレス化を推進させています。
UV技術と100%の固形材料も生産工程を改良できた大きな要素です。粘着剤、インク、シリコンを、UVキュアをベースに加工し、大きなエネルギーを消費する溶剤やエマルジョン用の乾燥システムを使用しない方式も環境保護の大きな要素です。
フリーラディカルタイプのシリコンはインラインコーティングを劇的に進化させました。この簡素化されたコーティング工程により印刷会社自身でインライン作業、社内コーティングが可能となり、利益の増大という収穫が期待されます。
結論としては、ラベル生産業界は生産に変化を与える全て技術と材料を既に持っています。しかし実際に変化を起こさせることはそれほどスムーズに行きません。 あるプレイヤーは既存の利益を守ろうとし、また失った低収益を回復するように動きます。しかし重要なことはユーザーはコストの低減と同時に環境に配慮したラベルを購入したいと要望していることです。
「Narrow Webtech」に寄稿されたものです。
François Bayzelon, CEO of ETI Converting Equipment, is the pioneer of this technology. He has been fighting for now 10 years to help restore self-adhesive label printers’ margins and find innovative solutions for the continued evolution of the industry.
ラベル新聞への寄稿
ETIコンバーティング 機械ラインアップ
- コヒージオ : 事前印刷されたウェブを掛けて、シリコン塗工、粘着剤塗工、貼り合わせ、ダイカット迄、粘着ラベルを一貫生産
- レーベライン: コヒージオに印刷ユニットを組み合わせ、最終製品ラベルをワンパス製造
- ライナーレスラベル専用機 : 新規設計で、機械全長を短縮したライナーレスラベル製造機。 事前印刷された基材も使用可能
- ETIのライナーレスラベル技術と、RR Donnery社の要求仕様とのマッチング
- メトロノーム : フレキソ輪転機。 全サーボ駆動による「ギアレス、スリーブ版胴式フレキソ印刷ユニット」と、既存所有の版胴をそのまま活かす「従来型ギア駆動フレキソ方式」を用意しています。
- コヒージオはライナーレスラベルの製造も兼用 : コヒージオでは、僅かなオプション追加で、通常の剥離紙付きラベルと、ライナーレスラベルの兼用機になります。
- ミニ コヒージオ : 全長8メートルの機械で、コヒージオ機の機能、生産速度をそのまま継承
- シリコン塗工機 : Silicoart UVシリコン、或いはサーマルシリコン塗工システム
- 粘着剤塗工のバリエーション: スロットダイ塗工、ホットメルト粘着パターン塗工、 UVホットメルト粘着塗工、 エマルジョン粘着塗工
- ダイカットのバリエーション : シングル・ダブルダイカット、パテント取得済の「ぺリカット:12ミクロンの極薄PETライナーの採用を可能とするETI 特許技術、剥離ライナーのリサイクル化、同じ製品径のロールで約2倍のラベル数を格納」
- 給排紙方式のバリエーション : 省スペース原紙2本給紙、オートスプライサー、オートリワインダーなど
- 特注設計 : ワイドウェブ、インクジェット印刷搭載、極薄フィルムライナー等の特殊設計機を画像集で紹介。 例:航空バゲージタグ ワンパス生産ライン
- ETI企業紹介
- ラベル製品の生産に於けるバーティカルイノベーションを提案 : フランソワ ベイゼロン, CEO of ETI Converting 寄稿
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