CTI 機能性インク ニュースレター :起案から市場に出すまで

超大手ブランド飲料の例

サーモクロミック、フォトクロミック、グローインダーク、およびBlindSpotz™テクノロジーの開発に際しては、CTIとして我々は、難しい化学技術と数千にも及ぶ実験とテストを繰り返して参りました。
しかし実勢にパッケージ、ラベル等に実用化する場合、特にサプライチェーンや、意思決定に複数のプレーヤーがいるような場合、実際に機能性インクを使ったソリューションをどのように商品化し、流通させれば良いのでしょうか?
実際に、革新的なアイデアが発想されても日の目を見ない案は非常に多く存在します。
Chromatic Technologies(CTI)は、多くの主要ブランドとコンバーターを、数か月間で大規模な消費者向けパッケージングの革新を計画、コスト計算、製品開発、および生産するプロセスに導いた実例を多く持っています。

一例としては、飲料ブランドの世界企業がございます。CTIは、同社の世界ネットワークの中の3つの地域のボトリング工場をを使用して、ヨーロッパの7か国でサマーキャンペーンの開始までをサポートしました。関係者には膨大な努力が必要でしたが、缶から2リットルのPETボトルまでのさまざまなサイズの飲料容器と、何種類かの印刷方式(ウォーターベースフレキソ、UVフレキソ、ウェットオフセット、UVウェットオフセット、メタル缶デコレーション印刷)が含まれます。マーケティング、ブランド、広告代理店、内部設計チームとの最初の会議は12月に始まり、2月に16社のコンバーターを使用した試験が開始されました。 4月に生産が開始され、6月からサーモクロミックインクを使用したパッケージを実装した2億9千万の飲料パックが市場に登場しました。
7か月間でこんなに大きなものをどうやって進めたのでしょうか? それには着実に進めて行く開発プロセスと全てのプレイヤー間の継続的な緻密なコミュニケーションが必須条件です。
CTIが、大手ブランドと進めた開発ステップを簡単に示します。

プロジェクトの初期段階
最初のステップは、プロジェクト対象の製品の利害関係者を集めて情報を収集することに焦点を合わせ開始します。機密保持契約が完了すれば、最初に尋ねる最も重要な質問は、各ステークホルダーは成功とはどのようになった時と考えますか、ということです。 消費者向けパッケージ商品(CPG)ブランドメーカーは、特定のセグメントでの収益とソーシャルメディアの注目度とブランドイメージを高めることを求めます。一方、パッケージのコンバーターは、すべてが印刷加工工程がスムーズに進み、新しい機能性インクを使用する生産が、高価なインクを無駄にしないことを求めます。ボトリング業者と流通業者は、店舗でブランドに消費者が積極的な注目を浴びることを促し、現地販売を増やすプロモーションとなることを望みます。 
すべての関係者の成功基準を意識させることで、望ましい顧客体験を議論するための段階へと移ります。ブランドは消費者に何を見て、感じて、行なって、そして覚えて欲しいのでしょうか? ヨーロッパでのサーモクロミック機能を付加したラベル、パッケージでは、消費者は写真を撮って賞品を獲得できるように、印刷された画像の色が変化する機能としました。  
技術とデザインのアイデアが最終候補リストにまとめられた後、ブランドは消費者調査を行ない、終了させ、さらには特定のフォーカスグループに焦点を当てたい望む場合には、その設定もあります。このような初期段階では、当該プロジェクトの投資・収益モデルを、Go 或いは No Goのどちらにするか、または少なくともプロジェクトを前進させるためにコンバーターが満たさなければならない財務基準までを定義します。
 
開発
インクは、グラフィックデザインと、CTI特殊機能性インクが既存の印刷構造と印刷設定で充分に印刷できるか否かを確認するための机上テスト、実機テストを行ないます。コンバーターとCTIの間では、下記のような技術的な議論を進めます。
 
デザイン: CTIの特殊機能性インクには、ベタ、太線等の印刷領域を持たせ、細線や細かいディテールを避け、グラデーションは50%未満とします。また同色系インクで隠し文字等を表示する場合には、最適な結果を得る為トラッピングのテストも繰り返す必要があります。
 
印刷機設定:インクは何色使いますか? 機能性インクで目標とする色強度を得る為に、複数の印刷ユニットが必要かもしれません。フレキソの場合、アニロックスの形状、線数は? グラビア印刷の場合、版胴のスタイラスと彫刻角度は? 乾燥方法と印刷機運転速度は? インクユニットの清掃手順の見直しも必要です。
 
インクの取り扱い:印刷業者は、CTI特殊インクが標準の印刷インクとどのように保存寿命、溶剤に対する感受性、貯蔵などの点で異なるかを理解していますか?
 
ロジスティクス: CTIは、実際のテスト或いは生産を支援するために技術者の立ち合いを行なう準備がございます。そのような技術者派遣は必要ですか? テスト印刷されたサンプルをCTIに提示して、CTIでチェックする必要はありますか? またその合否基準は何ですか?  
多くの場合、印刷されたサンプルは、コンプライアンステストと同時に承認のためにマーケティングチームに出荷されます。生産計画とスケジューリングにより、購買チームは、機能性インクも含めて、店頭で販売する日程を基準に製造開始日に合わせて原材料を注文します。品質管理チームは、機能性インクも含めた検査用新基準を作成します。最後にブランドめーかーがサンプルを正式承認すると、一連の作業工程が実行となります。
 
強化する
ご想像のとおり、CTI特殊インクが認定され、すべてのコンプライアンステストが完了した後、印刷スケジュール、パッケージ化、製品充填ライン、出荷、店舗配送、および市場での生産スケジュールのマイルストーン日付を満たすことに注意が向けられます。現在、発注書が用意されているため、これらの日付は通常移動せず、パートナーが緊密に協力する必要があります。
 
大規模な製造注文の場合、CTIテクニカルサービスの担当者は、運用チームをサポートするために最初または全体の印刷に参加する用意があります。印刷機速度と印刷品質を最適化するための印刷機側の微調整や、インク消費量のコントロールについてをアドバイスします。


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* Evans EW, Redmond EC. 2015. Analysis of older adults’ domestic kitchen storage practices in the United Kingdom: identification of risk factors associated with listeriosis. J Food Prot 78:738–45.